【リスク許容度】資産運用における適正なリスクの取り方とは?【暴落が来たらどうする?】

投資 リスク許容度

こんにちは、りんです。

この記事では「資産運用における適正なリスクの取り方とは?」というテーマでお話ししたいと思います。

投資をはじめたはいいけど、保有資産の価格が暴落したらどうしたらいいんでしょう?
現金や株式、債券など各資産の比率はどうやって決めたらいいか悩んでいます。

普段から自分のリスク許容度を把握して資産比率を調整することが大事です。「資産」というのは現金や株式などの金融資産もそうですが、それ以外にもリスク許容度を測る要素というのがいくつかあります。

この記事のまとめ

金融資産のアセットアロケーションだけでなく、金融資産以外の自分の資産を考慮してリスク許容度を判断することが大事

リスク許容度が高まる要素
  • 企業勤めである/正社員である
  • 年齢が若い
  • 独身、共働きである等、扶養家族がいない
  • 就職において強みとなる資格/経験を持っている
  • 心身共に健康である
  • 金融資産の暴落時のリスク許容度は率ではなく、絶対値で見ることが大事。
  • 「資産運用経験」もリスク許容度を測る重要な指標の一つ
  • 大事なのは、自分で納得した適正なリスクを考慮した投資戦略を練ることで、そのために大事なことは「リスク許容度を決める要素を正しく把握すること」
  • 私は現金700万円+株式1,700万円(計2,400万円)の割合で所有(理由は下で解説)
目次

1. 資産運用におけるリスク許容度とは?

リスク許容度とは、保有金融資産(株式・債券など)の価格変動に対して、自分がどこまで許容出来るか?の度合いのことを言います。

もちろん、保有資産の価格が高騰している場合は当然自分の資産も増えているので精神的負荷はないでしょう。

問題なのは価格が下落している時に、その下落に耐えられるか?という点になります。

どこまでであればこの下落に耐えられるかというのがリスク許容度の目安と言えます。

仮に利益確定していなかった場合でも、含み損とはいえ資産が減ってしまうことに耐えられない場合は「リスクを取り過ぎている」と言えます。

暴落により生活ができないほど資産を失ってしまった場合はもってのほかです。

精神的にも物理的にも生活が破綻しないために、自分のリスク許容度を知っておくことはとても大事です。

2. リスク許容度を決めるのは金融資産だけではない

リスク許容度を加味したアセットアロケーションというと、「保有する金融資産の配分について株式を何%にするか?債券を何%にするか?コモディティは何%にするか?」ということを考えると思いますが、これを決めるには金融資産のアロケーションだけではなく、金融資産以外で自分の持っている資産もよく整理することが大切です。

資産とは金融資産だけでなく「時間や健康状態」など、活用することでお金を生み出しうるものは総じて資産として捉える必要があるからです。

大事なことは自分にある資産が何かを正しく捉えることです。

金融資産以外のリスク許容度を決める要素は次の通りです。

2.1. リスク許容度が高まる(リスクを取りやすくなる)要素

リスク許容度が高まる要素

◆企業勤めである/正社員である
→安定した収入、その代わり収入が爆発的に増えることは稀
◆年齢が若い
→20〜30代であれば長期間の運用が可能
◆独身、共働きである等、扶養家族がいない
→生活防衛資金が少額で済む傾向にある
◆就職において強みとなる資格/経験を持っている
→転職先に困らず、市場価値が高い
◆心身共に健康である
→働けなくなるリスクが少ない

企業勤めである/正社員である

これはイメージしやすいと思いますが、正社員であれば安定した収入があるため、仮に投資で失敗しても収入があるので直ちに破産することはないでしょう。

・年齢が若い

若ければ若いほど、長期間運用による複利効果を狙えるため、リスクを取りやすいです。

また、もし投資で失敗をしても若ければ働いて稼ぐこともできるので、リカバリーがしやすいです。

扶養家族がいない

これもイメージしやすいですが、独身等で養うべき家族がいないのであれば、自分の生活費だけを稼げば良いので比較的リスクが取りやすいと言えます。

資格を持っている

社会から求められる人材であれば就職や転職市場でも重宝され、稼ぐのに困る可能性が減ると考えられます。

社会から求められる人材というのは、人にはない特殊な経験を持っていたり、仕事で重宝されるスキル、資格を持っている人です。

例えば英語が話せるとか、宅建の資格を持っているなどが該当します。

・心身ともに健康である

心身の健康は当然大事な資産です。

なお、資産とは少し異なりますが、「自身の性格」もリスク許容度を測る上では大事な要素になります。

資産がマイナスになることが大きなストレスとなる、日々の価格変動が過度に気になってしまう、等、繊細で慎重派の方はよりリスクの少ない方法を選んだほうが良いでしょう。

3. 自分のリスク許容度はどうやって測ればいいか?

では、具体的には自分のリスク許容度はどうやって測ったら良いのでしょうか?

3.1. 標準偏差から最悪のケースを想定する

年金積立金管理運用独立行政法人のデータによると、資産別クラスのそれぞれのリスクと期待リターンと次の通りです。

資産クラス (期待リターン/リスク/年間最大損失率の目安)
国内債券
2.0%/4.7%/9.4%
外国債券
3.5%/12.6%/25.2%
国内株式
5.2%/25.1%/50.6%
外国株式
6.2%/27.3%/54.6%

「はじめての資産運用」(成美堂出版)より引用

例えば上記表によれば外国株式の期待リターンは6.2%です。

これは長期で見れば平均年利回り 6.2%が期待できるということで、例えば100万円の外国株式であれば1年後に106.2万円になることが期待できるという意味です。

※毎年 6.2%ずつ増えていくということではなく、長期間 (10年、20年) の運用を経て、後々ならしたら年当たりの利回りが6.2%になるという過去の実績から導き出された数字です。

また、リスクとは単年での値動きの幅を指します。例えば外国株式であればリスクは 27.3%なので、100万円の株式であれば 1年で 72.7万円 (100-27.3)になる可能性もあれば、逆に127.3万円 (100+27.3)になる可能性もあるということです。※もっと激しく値動きする可能性もあります。

そして確率論的にはリスクの2倍の範囲内に値動きの95%が収まると言われています。

2標準偏差といい、標準偏差の2倍を見ておけば確率的に最悪の事態を想定できるという、金融業界での一般的な考え方です。

外国株式のリスクは 27.3%ですので、想定できる最悪の下落率は 27.3%の2倍の 54.6%です。

つまり
「外国株式は、95%の確率で1年で−54.6%を下回らない」ということです

リスクとは「振れ幅」のことなので、逆に 54.6%高騰する可能性もある、ということです。

ポイント

上の「年間最大損失率の目安」を自分の保有する資産に当てはめて計算してみて、「最悪のケースまで資産が減ったとしても、自分自身が許容できるか?」を考えることが大事です。

4. 私の場合でシュミレーションしてみる(例)

私のケースを用いてシュミレーションしてみます。

もっと分かりやすくするために、私の例を挙げます(分かりやすくするために数字は丸めます)。

最近のある時点での私の総資産は2,400万円でした。

中でもリスク資産に当たる株などの金融資産は1,700万円です。

私は金融資産は株式100%で運用しているので、最悪の場合の下落率は 54.6%(前述の標準偏差の項目を参照)になります。

計算しやすくするために 55%とすると、935万円 (1,700万×0.55%)です。
※分かりやすくするために外国株式100%(上記表で年間最大損失率の目安が 54.6%)だったとして計算します。

なお、インフレや為替の影響を受け、相対的な価値が変動する「現金」も厳密にはリスク資産と言えますが、ここでは絶対的な価格が変動する株等の金融資産をリスク資産として説明しています。

私のリスク許容度を測る要素は次の通りです。

私のリスク許容度を測る要素

金融資産

  • 株式1700万円※債券,コモディティは0
  • 現金700万円

計 2,400万円

金融資産以外のリスク決定要素

  • 約10年の正社員(経験と安定収入あり)
  • アラサー(長期運用可能)
  • 扶養家族なし
  • 資格(英語 TOEIC900点超)
  • 健康(大きな病気無し)

→これらのことから私の場合リスク許容度は比較的高い (リスクを取りやすい)と言えます。

金融資産におけるリスク許容度

上で説明した通り、単年の最悪のケースとして仮に株式が 55%暴落した場合、私の総資産は

株式765万(1,700 – 935)※935万=1,700万×55%
現金700万
計1,465万円


つまり、暴落が来たときに想定できる私の最低資産額は1,465万円です。

もちろんこうなった時は株価が戻るまで売ることは決してしませんが、含み損だったとしてもこの下落にうろたえないようにしなければなりません。

言い換えると「よほどのことがない限り1年で資産が1,465万円を下回ることはない」ということです。

これが自分にとって耐えられる数字かどうかです。

※もちろん、机上計算上の試算なので大暴落により1,465万円を下回る可能性は0ではなく、95%の確率で1,465万円未満にはならないということです。

築いた資産が大幅に減ることは大きな精神的ダメージを受けると思いますが、それでも1,465万円というのは暮らすのに困るような金額ではとてもありませんし、同年代と比べても比較的大きな資産でしょう。

重要なのは、減った資産の率(割合)で見るのではく、絶対値で見ることです。

資産の絶対額と最低生活費は比例しないためです。

許容最低下落率を○○%と設定するのではなく、率に関係なく最低〇〇円は生活防衛資金とする、という決め方をすることが大事です。(もちろんそこから計算して許容最低下落率を把握するのは良いと思います。)

金融資産”以外”のリスク許容度も加味した上での今後の投資戦略

更に、上に示した通り金融資産以外のリスク許容度を測る要素をまとめた結果、私は比較的リスク許容度が高いことがわかります。

私は既に現金が 700万円あり、生活防衛資金としては十分だと考えるため、収入は生活費を除いた残りは全て株式投資(投信、高配当ETF)にあてています。

5. リスク許容度を決めるもう一つの要素「資産運用経験」

ここまでお話しした通り、シュミレーションすることである程度暴落を覚悟することが出来ると思いますが、実際に暴落が来たときに精神的に本当に落ち着いてられるかは分かりません。

そこで大事なのは「少額でもいいのでなるべく早く投資をはじめ、株価の変動に慣れること」だと思います。

そういう意味では「資産運用の経験」もリスク許容度を測る一つの重要な要素だと言えます。

投資期間が長いと株価変動にも慣れますので耐性がつきます。

結論は「投資はなるべく早くに始めたほうが良い」ということになります。
一度くらい暴落を経験した方がどっしり構えて運用が出来るかもしれません。

6. 大事なのは自分で納得した適正なリスクを考慮した戦略を取ること

これだけ多くの要素が絡むため、リスク許容度は各々で異なってきます。

特に性格は自分が一番よくわかっている要素なので、自分でなぜこのリスクが適正か?を納得できるようにしておくことが大事だと考えます。

大事なのは、自分で納得した適正なリスクを考慮した投資戦略を練ることです。

そのためには「リスク許容度を決める要素を正しく把握すること」が必要でしょう。

ポイント

ちなみに私は行なっているインデックスは長期的(10年〜20年後)に右肩上がりとなることを想定した投資ですので目先の価格の上下は気にしていません。(上下を繰り返しながらも結果として年利5〜7%を目指す)

また、高配当投資は配当金目的で行なっているので、株価に一喜一憂することもありません。

私の投資方法は

  • 時間がかからない(一度設定したらほったらかし)
  • 価格の変動に一喜一憂しないので精神的にも安定する

というのが特徴です。

不安になることもたくさん書きましたが、投資をはじめて4年、私の場合はコロナショック時に数か月間トータルリターンがマイナスになりましたが、それ以外はずっとプラスだというのが実情です。

7. まとめ

以上、今回のポイント次の通りまとめます。投資戦略を立てる上での参考になれば幸いです。

まとめ

金融資産のアセットアロケーションだけでなく、金融資産以外の自分の資産を考慮してリスク許容度を判断することが大事
リスク許容度が高まる要素
◆企業勤めである/正社員である
→安定した収入、その代わり収入が爆発的に増えることは稀
◆年齢が若い
→20〜30代であれば長期間の運用が可能
◆独身、共働きである等、扶養家族がいない
→生活防衛資金が少額で済む傾向にある
◆就職において強みとなる資格/経験を持っている
→転職先に困らず、市場価値が高い
◆心身共に健康である
→働けなくなるリスクが少ない

リスク許容度を測る上で大事なこと
  • 金融資産の暴落時のリスク許容度は率ではなく、絶対値で見ることが大事。
  • 「資産運用経験」もリスク許容度を測る重要な指標の一つ
  • 大事なのは、自分で納得した適正なリスクを考慮した投資戦略を練ることで、そのために大事なことは「リスク許容度を決める要素を正しく把握すること」

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

ロンドンで働くアラサーのりんです。

ロンドン生活やヨーロッパ旅行のレビュー・感想・役立ち情報や投資・自己学習についてのブログ記事を書いています。

ロンドンに行くなら英語を勉強しないとまずいと思い、勉強して点数を200点以上あげ日本出国前に何とかTOEIC920点を獲得。

投資や節約が好きで、資産運用(投資歴3年)+節約により20代で総資産2,000万円を達成。

これらの経験を元に書く記事が役立てば幸いです。

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